🌈Ordinary days…~虹の抄~🌈

日没は遅くなった。
日中からの雨は止みかけ、ゲオスミンが漂うなか西の空を見上げた。
雲は残っているが、その切れ間からは日が届きはじめている。
「それにしても、よう降ったものだ。」
私は帰路に就くため騎乗し手綱を握った。
牧歌のような多摩川沿いは湿度を含んでいる。
しばらくして、多摩川に架かる橋梁上、南東の空に薄っすらと七色の弓が現れた。



渡河を終え、七色の弓はさらに鮮やかさを増している。
「たまさかに、みられるやもしれぬな。」
私は組屋敷へ向かわずに、多摩丘陵の頂きをめざし騎乗のままぬかるんだ坂道を駆け上がった。

そこに私を待っていたものは、半球の淵を沿うような卯月七色の虹だった。
文明の音はきこえない。
瞬きもせず。
葉擦れに風のとおり道をみる。
気が付けば、あれほどまでに鮮やかだった虹は徐々に勢いを失っていく。
刹那の贈り物におもいを馳せ、私は瞼を閉じゆっくりと深呼吸をした。

鳥の声にふたたび瞼を開けば
消えかける虹の上には
輝きはじめそうな月が浮かんでいた。

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【投稿者プロフィール】
大 畑 陽 介
1975年 7月29日生まれ 50歳
社会福祉法人 南山会 喜多見ホーム
特養看護サービス部 機能訓練指導員
柔道整復師/介護支援専門員/東京DWAT(災害派遣福祉チーム)/外国人介護従事者指導担当職員
【略歴】
大学卒業後、就職氷河期を大義名分にワーキングホリデーへ。
西オーストラリア州パースでサーフィン三昧の日々を過ごす。
帰国後、営業職に就くが父親になるのを機に、柔道整復師免許を取得し現在に至る。
【趣味・活動】
総合格闘技(U-FILE CAMP所属)/三線演奏/週末バックパッカー/シングルファーザー(一女の父)/フリーウェイト・トレーニング/トゥクトゥクが欲しいです
