2024.12.20
🌳Sweetest Day Of May…🌳
黄雀風がわずかな湿気を帯び、ここ喜多見ホームに届いた。
立夏の陽は角度を増し、木々や若葉にその生命力を乱反射させ、さらに勢いを増していく。
数か月前の寒空に蝋梅たかく香る日々からの移ろいを感じさせてくれる。
昼前、私達は共にエレベーターに乗り釦を押した。
数秒間の沈黙の後に、1階へと到着したエレベーターの扉が開く。
少しひんやりとした廊下をエントランスへと向かう。
左右の壁には、いくつもの絵画が展示され、一瞬、ここが介護施設だということを忘れてしまいそうになる。
芸術に疎い私には絵画を観るも、その良さがわからないのが残念だ。
そして、相変わらず元気の良い、喜多見ホームの職員達と挨拶を交わし、無事にエントランスを私達は抜ける。
同時に、外気にあたり聞こえてくる彼の感嘆の声は、その先に待っている5月の陽光を更に眩しいものにする。
柔らかな土の匂いや、鳥の囀りを一緒に、ゆっくりと私達は、新緑をまとった桜の木陰まで移動した。
その後、互いに交わす言の葉少なく、同じ風に吹かれ、同じ時間を過ごしたとても良く晴れた、素敵な5月の或る日の出来事。
彼は、今日もどこかで、とびきり素敵なオーケーサインと笑顔を見せてくれていることだろう。
※ご入居者・桜の木・中庭
※中庭にて撮影
※ご入居者・桜の木・中庭
※ご入居者・花
※喜多見ホーム・正門
※中庭にて